突然ですが、「 10,666人 」という数字、何の数字かご存じでしょうか。
先週1月24日、堺市のHPが「人口動態(出生・死亡・転入・転出)」を更新しておりました。
これによりますと、昨年令和6年(=2024年)の堺市全区の死亡者数が「10,666人」と発表されておりました。
全国的に死亡者数が増加している中で、今年に入り、とあるニュースを目にしました。
先週には宮崎県でも現在平均4~5日の火葬待ちをしているニュースや、2週間前には愛知県みよし市でも新たに市単独での火葬場建設のニュースを発表しておりました。
話が逸れてしまいましたが、近年、【 火葬難民 】という言葉が注目を集めています。
少子高齢化が進む中、火葬場の予約が困難となり(特に都市部)、ご家族が希望する日程で火葬を行えない事例が増加しています。
火葬場の不足や設備の老朽化、さらに冬季期間(12月~3月)における需要の集中が主な要因とされています。
このことは、大切な方との最期の別れの場を行う上で、大きな問題となっています。
ご家族に大きな精神的負担がかかるだけでなく、葬儀の日程調整や費用面にも影響が及びます。
「以前は亡くなってから翌日にお通夜ができていたのに…」とお話を伺うこともございます。
今回の記事では、堺市の火葬の現状やその原因をご説明するとともに、ご家族の皆様が安心して火葬を進めるための具体的な対策をご紹介します。
この記事をご覧いただくことで、大切な人との最期のお別れを滞りなく進められる手助けになれば幸いです。
1.火葬難民とは何か?
・火葬難民が生じる背景
火葬難民は、火葬場の数が不足することによって引き起こされる問題です。
近年の少子高齢化により、火葬場への需要が急激に高まっています。
しかし、火葬場の建設には時間と予算が必要なため、供給が需要に追いついていない現状があります。
そして、12月~3月は、火葬場の予約が数日待ちとなるケースも珍しくありません。
・堺市の死亡者数推移
令和3年(=2021年)が「9,354人」、平成30年(=2018年)が「8,816人」、平成27年(=2015年)が「8,299人」とこの10年の間に死亡者数は増加し続けております。
直近で、確定した数字が出ておりました2年前の令和5年(=2023年)に焦点を更に当ててみます。
その年は堺市全体で「 10,224人 」でした。
その年の大阪府全体の死亡者数を確認したところ、「104,964人」で全国総数「1,576,016人」のうち、2番目に多い地域でした。
(1番多かったのが、東京都「137,241人」、3番目に多いのが神奈川県「98,744人」でした)
・堺市における火葬場事情
堺市は大阪府内でも人口が多い地域の一つであり、高齢化も進んでいます。
これに伴い、火葬場の需要が年々増加していますが、堺市におきまして、火葬場は公営の堺市立斎場のみとなっております。
堺市立斎場では一日の火葬件数が、28件(10時火葬~16時火葬まで)、5日先まで火葬予約を取ることができるのですが、5日先まで全て火葬予約が埋まってしまっている場合も発生しております。
そして、夜中0時、日を跨ぐことで、更に1日先の火葬予約を取ることができるのですが、その火葬予約もすぐに埋まってしまう状況となっております。
今月1月の中旬あたりから17時火葬の4枠を新たに設け、一日32件での対応を行っておりますが、それでもまだ火葬予約が埋まってしまっている現状です。
以前なら、堺市で火葬に日数を要する場合だと、市外料金を支払って隣接した市の火葬場(大阪市など)を利用するのも一つの手段でございました。
しかし、しかし、隣接した市の火葬場も予約が立て込んでおり、結局、堺市立斎場での火葬を行っている現状です。
2.火葬難民を防ぐ為の方法
現状、手のうちようがない現状です。
火葬炉の数や火葬時間に制限があり、1日で火葬できる上限数は決まっております。
利用する火葬場(=堺市立斎場)が混んでいるから隣接した市の火葬場を利用しようにも混んでしまっている現状です。
葬儀・火葬の需要が増えており、混雑が激しいのであれば、それなら火葬場を新設すれば良いのではないか?といったご意見も出てくるかと思われますが、これもまた簡単には進まないようです。
火葬炉の新設に対する費用、近隣住民へのご理解回り、2040年頃に死亡者数のピークに達し、そこから減少する統計も出ていることなど、様々な要因があるようです。
3.葬儀会社側で行っていること
・事前相談時でのご案内・ご説明
事前準備を行い、葬儀や火葬に関するスケジュールを把握しておくことで、ご家族の精神的・身体的負担を軽減することができます。
葬儀や火葬に関する手配は短期間で多くの決断を必要とするため、事前に知っておくほど、ご家族のご不安・ご負担は軽減されます。事前に必要な手続きを把握し、計画を立てておくことが重要です。
葬儀会社との事前相談を活用することで、予算や希望に応じたプランを事前に検討できる上、火葬が延びた際にどれだけの費用が発生するのかも事前に確認を行うことが可能となります。
・霊安室の完備
大切な方がお亡くなりになられてから、葬儀を行うまで、ご本人様のお休みになる場所のことを霊安室と言います。
昔は亡くなってからまず住み慣れたご自宅へ連れて帰る流れが主流でした。
しかし、近年では、自宅のスペースの兼ね合いで寝かせられるスペースがほぼない(一軒家・マンションとともに)ことや、家族葬が主流となった中で、葬儀会社の車が家の近くに来てほしくないといった理由でご自宅へお連れしないケースが増えてまいりました。
ご自宅へお連れしなくなった場合に、お連れする先が我々葬儀会社が所有する民営の霊安室となります。
霊安室を完備していることで、大切な方を責任もってお預かりするのと同時に、ご自宅での準備負担を大きく軽減することができるようになります。
家族葬INORITEイノリテ堺深井ホールには霊安室もございますので、ご安心ください
家族葬INORITEイノリテ堺深井ホール
家族葬INORITE堺深井ホール
〒599-8271 堺市中区深井北町3500
アクセスはこちらより
4.火葬難民になることは本当に悪いことばかりなのか…?
葬儀が延びることで、ご家族にとって心理的、物理的な余裕が生まれ、よりしっかりとした準備やお別れが可能になります。
突然の訃報に直面したご家族は、感情の整理や目の前の手続き、今後の手続きなど多くのことを考える必要があるため、短期間で準備を進めることが大きな負担となる場合があります。
葬儀が延びることで、その負担を軽減し、状況を冷静に判断しやすくなります。
特に遠方からの親族が参加する場合や、喪服・礼服の購入や新調する場合には、この時間は非常に大きいものとなります。
(1)親族や関係者の出席調整がしやすくなる
例えば、遠方に住む親族が多い場合、日程の猶予があると参加がスムーズになります。
仕事の都合が影響し、すぐに参列できないケースもあります。
そのため、葬儀の日程が延びることは、ご家族・ご親戚の皆様が最後の別れに立ち会える機会を確保するうえで大きなメリットです。
(2)葬儀に対してじっくり準備ができる
最初のお打合せでは、葬儀の形式や細かいプランを決めさせていただいております。
葬儀が延びることで、式場に飾りたいもの、お供えしたいお好きだった食べ物や飲み物、お棺へ最期お納めしたい想い出のお品物の準備や料理の手配など、余裕をもって準備を行い、後悔のない葬儀を実現することが可能となります。
(3)心の整理と準備の時間が確保できる
ご家族にとって、大切な方の突然の死は感情的な衝撃が大きく、短期間で葬儀準備を進めることが心理的に負担となることがあります。
葬儀が延びることで、心の整理をする時間が生まれ、悲しみや混乱を乗り越えながら冷静に準備を進めることが可能です。
特に家族全員で話し合いながら葬儀内容を決める場合、この余裕が重要な役割を果たします。
5.さいごに
いかがでしたでしょうか。
本日は火葬難民についてご紹介いたしました。
火葬難民について、今後更に取り上げられる問題かもしれません。
現状この問題は、自分たちの身の回りで葬儀を行う時にようやく知ることが多く、すぐに解決することが困難な非常に難しい問題になると考えられます。
堺市でのお葬儀を行う上で、現状を知っていただきたい思いで、今回ご紹介をさせていただきました。
ただし、火葬を行うまでにいつも5日間待っていただくのかというと絶対ではございません。
日程に関しては、お打合せの際や最初のお電話にて、スタッフ・オペレーターよりご案内をさせて頂きますのでどうかご安心ください。
家族葬INORITEイノリテ堺深井ホールでは葬儀の事前相談を承っております。
もし、葬儀日程の件や、費用面でどうなるかご心配・ご不安でございましたら、いつでもお問い合わせください。
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